メディア情報:GATHERさんに高木成太を登場させていただきました(後編)

セカンドキャリアのこと、国見高校の後輩である平山相太さんとのエピソードなど紹介していただきました。

以下、記事を引用させていただきましたが、写真等がありますので、上部のリンクよりご覧ください。

【元サッカー選手 高木成太さん】元アスリートが語るスポーツの仕事「やる」から「つくる」へ-Vol.32-(後編)

「別業界の人の話を聞くことでキャリアの選択肢が広がる」
元サッカー選手、高木さんに話を聞きました

~第32回~
高木成太(たかき・なりた)さん/43歳
サッカー選手→サッカースクール、クラウドファンディング事業

文・斎藤寿子

現役中も引退後も大事にしている
“学びの場”

引退後はサッカースクールを開始するなど、サッカー関連の仕事を行っている
1998年にヴェルディ川崎に入団し、プロサッカー選手となった高木成太さん。2014年に現役を引退したが、実は現役中から引退後のことを考え始めていたという。横浜FC時代の2000年には神奈川大学経営学部を受験し、見事に合格。当時現役アスリートが大学に通うのは稀なことだった。

「引退後のことを考えていたのと、サッカー以外の人と会う時に知識の“差”を感じたことが大きかったですね。具体的に何をしようというのはまだありませんでしたが、とにかく勉強は必要だなと思ったんです」

引退後は、TOKYO23FC U-18監督やサッカースクールを開始するなど、サッカー関連の仕事を行っている。加えて、高木さんは新たに視野を広げるため、昨年開校した「日本営業大学」の二期生として8月~11月の3カ月間、講座を受けた。

「日本営業大学」は、アスリートのセカンドキャリアを”教育”と”採用”で支援することを目的としたもので、ビジネスにちなんださまざまなテーマの講座を選択して受けることができる。経済に関心の強い高木さんは特に「日本経済新聞の読み方」という講座が面白かったという。

「“名刺の渡し方”という講座など、今更聞けないようなビジネスの基本も学ぶことができたので、すごく役立ちましたね」

教育にとどまらず、具体的な就職支援を掲げている日本営業大学では、3カ月の受講の最後に、会員企業とのビジネスマッチングの場を設けている。受講者が企業の方たちの前でビジネスプランを発表するのだ。

そこで高木さんがプレゼンテーションしたのが『2nd Happy Project』。引退したアスリートと、そのセカンドキャリアを応援・支援してくれる人たちとの縁をつなげる、というものだ。

きっかけは、FC東京などで活躍した平山相太さんが3年前に現役を引退した時のこと。国見高校の後輩でもある彼に何か贈りたいと考えた高木さんは、アパレルメーカー“サッカージャンキー”に直談判をして5枚限定でTシャツを制作。国見時代のストライプのユニフォーム姿の平山氏がデザインされたTシャツを販売し、そのお金を退職金代わりに渡そうと考えたのだ。すると、その案に友人がこう言ったという。

「お金だけ渡すなんて、ちょっと寂しくない。どうせなら、人と人とが結びつくようなことをしたらどうだろう」

結局、平山氏に対しては限定のTシャツを本人に渡すだけで終わってしまったが、その友人の言葉に影響を受けた高木さんは『人と人との縁』がつくれるようなことをしたいと考え始めた。
引退後もサポーターとの縁をつなげる
プロジェクトをスタート

“サッカージャンキー”に直談判をして制作した平山相太さんのTシャツ。これがきっかけとなり、引退したアスリートとサポーターとがつながれる新規プロジェクトをスタート
実際、2019年にクラウドファンディングを活用した『2nd Happy Project』を高木さん自身が主となりスタート。すると引退から5年も経過しているのに、92人が支援し目標金額の50万円を超える61万5000円に到達。さらに横浜で行ったサッカーイベント&懇親会には20人ほどが参加してくれた。

「これだけの方が私を憶えていてくれて、尚且つプロジェクトをサポートしていただいたことが本当に嬉しかったです。やはり、直接ファンと触れ合うというのはいいですね! 選手はひっそりと引退するんじゃなくて、今まで応援してきてくれた感謝の気持ちと、“これからも頑張ります“ということを伝える場があるのは大きいと実感しました。

だから引退試合ができなくても、イベントなどで直接ファンと会うことでつながりができるといいなって。そこで名刺交換をして、もしかしたらビジネスの話が出てくるかもしれませんしね。選手が引退した後、社会に出ていく、そのつなぎ目の部分で何か手伝えたらなと思っています」

その傍ら、高木さんは子どもたちの親や指導者向けへの座学を開催する計画を昨年から立てている。

「引退をして思ったことは、本気でサッカーをやりたいっていう子供たちが多いんです。僕自身、無名から奇跡的にJリーガーになれた。そういう人生を歩んだ私だからこそ、“夢を応援しているよ”と子供たち伝えたいんです。だからこそ、それをきちんと家族が理解し、応援してくれるような座学を開きたいと考えています」

現在は、自身の子どもの頃からのエピソードを作成し、公式ホームページで閲覧できるようにする予定。高木さん自身のことを知ってもらい、企業やチーム、学校などの講演活動につなげていきたいと考えている。

エリートコースを歩んでこなかった自分だからこそできることがある。その信念を持って、これからも活動の幅を広げていく。

最後に、引退後のキャリアを考えている現役選手に向けてアドバイスを聞いた。

「競技に100パーセント集中しているのは当然です。それでよいと思いますが、何か社会と繋がるような時間を持つことが、大事だと感じました。私も現役時代の時に、サッカー関係者だけではなく、政治家やホテルに勤めている人など、様々な人に会いに行きましたね。“どうしてその業界を目指したんですか?”とか、サッカー選手とは違う人生を聞くことができて、それが今のプロジェクトのアイデアになったり、自分の人生の参考になったりしています。別の業界の人に話を聞いてみると、キャリアの選択肢が増えるはずです」

(プロフィール)
高木成太(たかき・なりた)
1977年4月生まれ、長崎県出身。長崎県立国見高校卒業後、実業団チームのブレイズ熊本に入団。この時に、ASAYANのJリーガーオーディション受け、それがきっかけとなりヴェルディ川崎に入団。99年に横浜FCに移籍し、JFLからJ2への昇格を果たした。2005年以降は5チームを渡り歩き、2014年に現役を引退。現在は、サッカースクールを開催するほか、クラウドファンディング事業の創出にも力を入れている。

※データは2021年3月16日時点